記憶の喪失

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病室の外へと追いやられた私は、看護婦さんに連れられて自室に戻った。 「彼は、大丈夫なんですか!」 私は、すがるような思いで、看護婦さんに尋ねた。 「まだ、ちょっと わからないは。あの子はね、事故の時に脳の記憶を司る部分に軽い障害が見られたの。」 「だから、検査入院という形で残ってもらったの。安静にしてるようにって言っておいたのに。。」 初めて聞かされた、彼の症状に、私は戸惑いを隠しきれなかった。 「うそ・・・。」 「彼の事は、私たちに任せて、あなたは もう寝なさい。」 そう告げられ、私は、ゆっくりとベッドの中に入った。 明日になったら元気になっていると信じて。
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