天か地か

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俺は一人、手術室の前で立っていた。 時計の針が一つ進むのでさえ、何分にも感じられる。 俺に何ができるだろうか。リンが今、必死で病気と闘っているのに、一人待つことしかできていない。。 「・・リン」 手術が始まってから、4時間が過ぎたとき赤いランプが消えた。 「リン!」 俺は走った、期待と不安を胸に秘めて 「手術は、成功したんですか!」 親族でもない自分に教えてもらえるとは思わなかった。 けど、どうしても、結果が知りたいという一心で俺は医者に尋ねた。 「・・・」 「お願いします!教えて下さい」 俺は、その場で頭を下げた 「・・わからない」 「えっ」 俺は、この言葉の意味が理解できなかった。 「・・わからないって、どういうことですか。」 少し、怒りを感じていたが、それを抑えて静かに尋ねた。 「手術は成功したはずなんだ。だが、意識が一向に回復しない。」 「・・それって」 「最悪、このまま意識が戻らないということもあるという事だ」 その瞬間、周りのもの全てが静止したかのような錯覚を覚えた。 ・・・今、泣いちゃだめだ。リンのいる前で泣くことはできない。 俺は、自室に向かって歩き始めた。 「佐藤くん」 後ろから、さっきの医者が呼ぶ声が聞こえてきた
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