羨望

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入学から2ヵ月が過ぎる頃には、友達も増えてレンとも冗談を言い合えるようになっていた。 本来のユイは、明るくて少し天然だから、キレイな人 特有の近寄りがたさがない。 周りには、いつもマナや友達がいた。 レンは一見、近寄り堅いが、話して見れば やはり普通の15歳の男の子だった。 冷静で頼りがいのある性格は、中心人物にふさわしかった。 そんなユイとレンが仲良くなれば、周りも自然と仲良くなって担任の松岡は他の教師に羨ましがられた。 入学後、初めての学校行事は体育祭だった。 仲のいいクラスはチームワークがいい。 ユイは100Mで優勝。 レンは200Mで優勝。 1年A組は個人の成績とチームワークで、総合優勝を勝ち取った。 体育祭の後、帰ろうとしたユイの靴箱に手紙が入っていた。 手紙をもらうのは初めてじゃない。 中を読んで、呼ばれた場所に行き、断る。 今までは、それで わかってもらえた。 手紙に書かれている旧校舎の3年C組に向かった。 なんだか今日は気が重かった……。
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