序曲

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「もう、解散しないか」   エアー・メインボーカルのリョウスケがその一言で僕らの空気を凍り付けた。   しかし、それは誰もが覚悟していた事だった。   僕らの音楽では世間には通用しない。   僕ら自身それに気付いていた。   しかし、僕らは諦めがつかず必死でもがいていた。   「オレ達じゃ、この音楽の世界に爪あとすら残せやしない」   リョウスケが付け加えた。   確かにそうかもしれない。   僕らの心はすでに折れかけていた。
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