いい加減な愛

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   いい加減な愛

『俺の為に死んでよ。』 君が言った。 その言葉に私は 『いいよ。』 と答える。 それは冗談でもなく100%本気でもない。 ただ… 『私が今死んで君に何か特はあるの?』 そう聞くと 『…ないね。でも死ぬ程誰かに愛されたい。』 君は言う。 死ぬ程愛されたい。 私だって死ぬ程誰かを愛してみたい。 だけど 死ぬ程の愛って何? わからないしわかりたいとも思わない。 だって 形がないし確かな答えだってない。 仮に二人が運命だと思えば運命になるし 冷めれば運命だと思い込んでいたものはただの偶然に成り下がる。 愛なんてそんないい加減なものだ。 『俺はね。無償の愛じゃなくて、有償の愛が欲しい。』 ねぇ… それってさ、まるで奴隷に愛せって言ってるのと同じだと思わない? 有償の“愛”なんて君の行動、言葉、君の全てを無理矢理受け止めて 自分の意思を殺し尚且つ見返りだけを求められる愛。 無償の“愛”なら何も問題はないけれど… そんな無茶苦茶な作られた愛私ならいらない。 だけど君が欲しいと言うならあげようと思った。 君の横顔がとても悲しそうだったから… 人間なんて生きていれば傷がつきその傷を舐め合って生きていく。 気持ち悪い。 冷めた私の素直な感想。 だけど一人はどうしても寂しい… 誰かに頼りたくなる。 矛盾だらけの私 でもそれが人間。 ずっと求めていくんだ。 どれだけ傷付いたって、どれだけ裏切られたって… 『俺の為に死んでよ。』 君は言った。 その言葉に私は 『いいよ。』 と答えた。 それは冗談でもなく100%本気でもない。 ただ 『私が今死んであなたに何か特はあるの?』 そう聞いて 『…あるよ。』 君がそう答えていたなら 私は冗談ではなく100%本気で 『いいよ。』 と、言っていた。 それってさ、少なからず私は君を 死ぬ程愛し始めていたのかもしれない。 だけど私は生きてる。 君は元気ですか? 私はまた無くした愛を求めてみます。 .
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