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それからは脳裏に焼き付くように
夢の中にいるかのように目の前を
横切る 映像
濃姫が…蘭丸を胸に抱きしめながら
叫ぶ
下から見てもわかる
慶二の…苦痛の表情
わかっていた
彼に戦は向いていない
手を汚させる仕事など向いていない
知っていた
君が此処に来た理由
唇を噛みしめ目には涙を溜め
狂うように叫びながら
踊るように飛ぶ銃弾
その一つ一つが
愛しい者の体を貫き
紅の花を咲かせ 舞う物
浴びせられた殺しの種に彩られ
生気を奪われ地に伏せる
わかっていたのに
自分の甘えが
彼を死神に受け渡す結果に
なってしまったのだ…
『 』
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