聖夜の客は招かれざる者

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 成宮 和樹は、困惑していた。混乱と言ってもいいだろう。  それは、常日頃から無表情と言われる彼にしては、珍しい程の驚き様だった。  彼の眼下には赤い三角帽に、揃いの赤い上下という、見事なサンタルックに身を包む者がいる。  折しも今日は十二月二十五日、クリスマスである。  街中ならそんな格好をしている者もいるだろう。パーティーで仮装をする者だっているかもしれないし、家族サービスのため、メタボな腹を今こそ生かさんと、息巻くお父様方もいることだろう。  しかし、目の前にいるサンタの扮装をしている者は、どう見たっておかしかった。 (サンタの格好をしてるのはまあいい。クリスマスだし。女だっていうのも特に問題はない。衣装がミニスカートなのもまあ、良い。と言うか、むしろ歓迎する。だけど、何故コイツは窓枠にぶら下がっている。百歩譲って酔っ払いの愚行だとしても、おかしいだろこれは)  和樹は、どうにかして部屋へと侵入しようとしている彼女を見下ろし、考えていた。  何故なら、彼の部屋は二階である。そして、和樹は今まで一階の居間で食事を取っていた。玄関から人が入った気配はない。  ならば彼女はどうして窓枠にしがみついている。
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