3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ありがとうございます~思っていたとおり、貴方は良い人です~」
都合の良い事を言いながら、彼女は和樹の手を取った。
「で? おまえはあんな所で何をしていたんだ?」
とりあえず彼女を正座させ、訳を訊く。
「私は~プレゼントを配ってたんですよ~」
和樹の質問からは、若干ずれた答えが返って来る。
「OK、OKうん。おまえはそこに座ったままでいいから、ちょっとじっとしてろよ」
そう言うと和樹は立ち上がり、新聞を幾重にも重ねた即席のハリセンを作り上げ、女の頭に振り下ろした。
スパーンという、軽快な音が部屋に響き渡る。
「いった~い、何するんですか~」
涙目で女が抗議する。
「ボケにはツッコミが必要だろ? だからツッコんでやったんだけど? 必要とあらば、いくらでもハリセンツッコミするぞ」
手のひらでハリセンを弄びながらが言う。
「もう一度訊く。おまえはあんな所で何をしていたんだ?」
一回目の詰問よりも声音を強くして和樹は訊いた。
「ですから~プレゼントを配っていて~」
和樹がハリセンを構える。
「待ってください~話しは最後まで聞いてください~」
彼女が頭を抱え、防御態勢のまま続きを話す。
最初のコメントを投稿しよう!