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「うわぁ!やっぱり神山さんは憑いてるんだ!ひゃあ!」
布団に潜り込んでグダグダ言い出した。
もう、放って置いてテレビを見ながら、鹿山を主人公にした映画の脚本を考える事にした。あいつはいつの間にか寝てしまっていた。
次の日の午後、大学の部室で漫画を読んでいた。鹿山は何やらカメラで部室内を撮って遊んでいた。
「あぁ!今何か写った。」
「そりゃ、カメラ回しゃ写るだろ。」
「そうじゃなくて!何か黒い物体が。」「お前まで氏川効果でサイコになっちまったのか?再生して何も写ってなかったら殴るぞ。」
「じゃあ写ってたらめし奢ってくださいよ。」
まぁ、いつもの遊びみたいなもんだ。いざ再生してみると、確かに何か写ってるちゃあ写ってる。
「馬鹿、こりゃフィルムの汚れだよ!」鹿山はニヤニヤしながら勝ち誇ったように「デジタルですよ?」
何か具体的な答えを言おうとし考えてしまった。
この沈黙が不味かった。ニヤニヤ顔は一瞬でサーッと引いて行き、恐怖の表情になった。
「もうやめろよ!めし驕ってやるから。行くぞ!」
で、食堂の自販機で食券を買う訳だが、カツカレーを買ってやり、無意識に自分が食べる、きつねうどんのボタンを押したからもう大変。
「狐が憑いてるから油あげを欲するんですか?」
「馬鹿か!俺は前からよく食ってるだろ、黙って食え。」
それから暫く、あいつは、そりゃもうイカレてたと言ってもいい。いざ脚本が出来上がり、鹿山を主役に撮影をしてはいたが、もう心ここに在らずだ。他の部員に「鹿山さん失恋でもしたんですか?」なんて聞かれ、ほとほと困り果てていた。
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