解放の夜明け

4/22
前へ
/40ページ
次へ
 ウィル・クローア。  その男は、魔物の正体を見破る事に長けた、凄腕のエクソシストである。  俺とユロウも、以前出くわした事があるのだが、とにかく彼は変人だった。  物腰に熱中するとどこへでもフラフラ歩いて行くは、珍しいモノを見ると観察しないでいられないは。  変な事に巻き込まれる事も、しょっちゅう。  もっとも、そんな変人だったから、俺達は祓われずに済んだのだが……。 〈仕事に困ってるなら、なんでも屋をやりなよ。人と共存する積もりなら、僕は祓わないから〉  その縁で時折、仕事を頼まれるのだが……それを断ったら後が怖い。  まぁ、ウィルの事は、またの機会に話そう。その機会があれば――だが。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加