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俺はため息をついた。
「なぁ、キルリオ? さっき依頼人の言ってた〈ナイトメア〉って何?」
夕食の支度をしながら、ユロウが俺に訊く。
「ナイトメアは、心の奥底にある負の思いを引き出し、悪夢を見せる魔物だ。その人の忘れたい、悲しみや恐怖を見せつけ、生気を食らう。そして生気を食われた者は、その夢に捕らわれ、目覚めない者も多い」
「うっへ~」
ユロウがあからさまに嫌な顔をした。
「何にしろ、アイツから回された仕事だ。……断る事はできないだろう」
俺の確認に、ユロウが真顔で頷く。
しかし俺は、とても嫌な予感がしていた。
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