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ナイトメアがさも楽しそうに笑い、闇に紛れて消える。
俺とユロウは素早く身構えた。
俺達をおちょくるように、ナイトメアの気配が右へ左へと飛び回る。
「そこだ!」
ユロウの後ろ回し蹴りがナイトメアを捉える。
「あら、なかなかやるじゃない。でも残念」
ナイトメアが、軽い身のこなしで、ユロウの蹴りを避けた。
そのままユロウの目の前に顔を寄せ、また微笑みを浮かべる。
「しかもあなた、あんまりおいしくなさそう」
一瞬緊張が走ったユロウが、とっさに手刀でナイトメアをなぎはらう。
その攻撃をさっと飛んで避け、ナイトメアは少し離れた所に降り立つ。
「坊やよりも――」
スッと目を細めたナイトメアが、真っ直ぐにキルリオを指差す。
「そっちのあなたの方がおいしそうだわ」
俺は警戒もあらわに、ナイトメアを見据えた。
不意にナイトメアの妖艶な唇が、スッと引き上げられる。
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