解放の夜明け

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『お前はユロウの優しさに付け込み、石を投げられるのみならず、いつ神父やエクソシストに祓われるかわからない恐怖の中に、ユロウを追いやった!』  頭の奥が痺れて、震えが止まらない。  呼吸が苦しい。吐き気がする。  不意に、目の前にいたもう1人の俺が、ユロウの姿に変わった。 「ユロウ……。俺は」  俺は何を言おうとしてるんだ?  ユロウが後悔しているのではと、幾度も悩んでは、ずっと逃げてきた。  そんな俺に、何が言えるだろう?  言葉が続かない俺に、ユロウが、悲しそうな目をする。 『ヴァンパイアになんて、なりたくなかった』  俺は息を呑み、涙が流れるのを、感じた。 「ユロ……ウ……」  突如ユロウの姿が歪み、闇色の触手が、放射状に飛び広がる。  悲しみに呑まれ、放心状態になっいた俺は、一瞬にしてその触手に絡め捕られた。
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