後悔の夜

2/7
前へ
/40ページ
次へ
「あぁ~、腰いてぇ~」  草刈りを終えたユロウの第一声。  それを聞いてか、依頼主のおばさんが歩いてくる。「いやぁ~、いつもありがとね。キルリオさん、ユロウ君」  ニコニコしたおばさんに、俺は微笑みを返した。 「こちらこそ、いつもウチをご利用頂き、ありがとうございます」 「これ、約束の依頼料。それから、リンゴも持って行ってちょうだい」 「わぁ、ありがとう」  リンゴをもらったユロウが、子供のように笑った。  俺とユロウの二人は「なんでも屋」をしている。二人しかいない訳ではなく、二人で事足りるのだ。  なぜなら俺達は――ヴァンパイアだから。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加