10人が本棚に入れています
本棚に追加
幼いユロウが、腕の中で震えているのがわかる。
「俺達にはキルリオがいるんだ。だから、もう大丈夫だよ」
優しく頭を撫でてやると、幼いユロウは、ホッと微笑んだ。
『お願い……キルリオを、助けて』
「キルリオを? キルリオはどこにいるんだ?」
不意に幼いユロウが光り、気付いたら元の場所に戻っていた。
「あんたっ、なんで私の術から出られたのよ!?」
そんな事を聞かれても、ユロウにはわからない。
ナイトメアを無視したユロウは、素早くキルリオを探して、ハッとしだ。
眠るように目を閉じたキルリオが、今まさに、モヤモヤとした闇の中に引き込まれようとしていた。
最初のコメントを投稿しよう!