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気付けばユロウは、また一人、闇の中にいた。
キルリオが呑み込まれる瞬間――確かにその手を掴んだハズだったのに。
ユロウは悔しさに唇を噛み締め、闇の中をひたすら走った。
〈キルリオを、助けて〉
闇の中にいた、幼い自分の言葉が頭に過り、速度を上げる。
(絶対にキルリオを、起こしてみせる!)
しばらく走ると、少し先にキルリオが見えた。
「キルリオ!」
ユロウは一目散に駆け寄ったが、急に息を呑み、足を止めた。
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