解放の夜明け

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『これでわかっただろう?お前がどれ程浅はかだったのか』  偽者がキルリオの耳に直接、諭すように、静かに言い放つ。 『お前が、ユロウを不幸にした……!』 「違う!!」  偽者の言葉を、ユロウが否定した。  怒り宿る鋭い目で、ユロウは偽者を睨む。 「俺達の事を何も知らないくせに、偽者が勝手な事を言うな!」  ユロウの言葉に、キルリオの虚ろな瞳が揺れる。 「ユロウ……?」 「キルリオを放せ!!」  ユロウが怒声と同時に駆け寄り、真っ直ぐに拳を突きだす。  しかし、ユロウの拳が偽者をすり抜けた瞬間、急に偽者の姿が掻き消える。  急に支えを失ったキルリオが、フラりと倒れた。 「キルリオ!」
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