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突然、術で作り出した闇が内側から弾け、ナイトメアは驚愕した。
「そんな――あたしの術が破られるなんて!」
悪夢から覚めた俺は、静かに真っ直ぐ、ナイトメアを見据えた。
「残念だったな、ナイトメア」
「俺とキルリオが一緒なら、お前なんかに負けるハズねぇだろっ!」
悔しそうな顔をしたナイトメアが、闇に同化して逃げようとする。
「させるか」
俺は素早く親指の腹に歯で傷を付け、真っ直ぐに手を突き出す。
「我と契約せし、闇のコウモリ達よ。我が敵を、決して逃がすな!」
俺が命じた瞬間、傷口の血が、無数のコウモリに変わった。
コウモリ達が、消えようとしていたナイトメアに、一斉に噛み付く。
「キャアァァーー!!」
悲鳴を上げたナイトメアが、闇に同化していた姿を現せる。
「コウモリ達よ……闇を織り成せ」
俺が静かに命じると、コウモリ達が集まり、ナイトメアの姿を闇に隠す。
そして、さっと駆け出した俺は、その闇の中に飛び込んだ。
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