心の旋律

心の欠片

次に病院に行ったときに、私は、何となく真弘の病室を覗いていくことにした。
｢来たんだな。｣
｢う、うん。あいつは来てないみたいだな。｣
｢そりゃな。あいつは学校で忙しいやつだから。｣
｢ふうん。｣
｢それよりも、お前、前きた時と少し雰囲気が違うな。｣
｢そうか？｣
｢あぁ。少し柔らかくなったって感じだ。｣
｢柔らかく？｣
｢お前は何つーか、触ると痛いような雰囲気があった。｣
｢私の雰囲気は、薔薇の刺か！｣
｢そんな感じだったよ。｣
｢･･･。｣
｢でも、薔薇かぁ。確かにお前に似合うな。｣
｢そう？紫陽花とかじゃないか？｣
｢え？｣
｢花言葉が『あなたは美しいが冷淡な人』や『冷酷』ってやつ。｣
｢あぁ。そうだな。そういう雰囲気。｣
｢だよな。｣
｢でも、今日はそんなことないんだよなぁ。･･･何かあった？｣
｢別に何もないけど。｣
｢そうかぁ？｣
｢あの日は帰りに･･･。｣
｢あれ？先にきてたんだ。｣
｢おう、将吾。｣
｢よう。｣
｢･･･少し雰囲気変わった？｣
｢お前もそう思うよな！｣
｢うん。｣
｢で、あの日の帰りに･･･なんだよ？｣
｢別に。｣
｢なんだよ。言えよ。｣
｢そういえば、前より気持ちの方はどう？｣
｢え？｣