心の欠片

3/6
前へ
/204ページ
次へ
「あれほど、自分の辛かったことを喋ったんだから、心境の変化があったかなって思ってさ。」 「考え方は、変わらない。でも、前より、身体が軽い感じがする。」 「そうか。心が少し楽になったんだね。」 「心が?」 「おいおい、オレを忘れるなよ。」 「悪い悪い。」 「オレに隠し事はないんだよな?将吾。」 「そうだな。」 そして、あの日のことを話した。私の詳しいことは伏せておいてくれたけど。 「へぇ、お前、結構大変・・・っていうか、辛かったんだな。」 「別に気を使わなくていいよ。」 「そうか?」 「もう、いい。お前らは、悪いやつじゃないのはもうわかった。」 「そうか。」 「でも、人の考え方はそれぞれ違う。何度かまたモメることになるだろう。」 「え?何でだ?」 「生きたいと思う真弘と、死にたいと思っている私では、その点の考え方が違う。」 「そうだな。」 「で・・・だ、・・・これからもここに顔を出していいか?」 「・・・。」 「・・・。」 二人とも驚いていた。 私もこんなことをいうとは思わなかった。人といることを望むなんて・・・。でも、何かが変わるような気がする。そんな気がするだけ・・・。 「いいぜ。来ても。」 「え・・・。」 「もちろん、いいにきまってる。」 「・・・。」
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

177人が本棚に入れています
本棚に追加