177人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれほど、自分の辛かったことを喋ったんだから、心境の変化があったかなって思ってさ。」
「考え方は、変わらない。でも、前より、身体が軽い感じがする。」
「そうか。心が少し楽になったんだね。」
「心が?」
「おいおい、オレを忘れるなよ。」
「悪い悪い。」
「オレに隠し事はないんだよな?将吾。」
「そうだな。」
そして、あの日のことを話した。私の詳しいことは伏せておいてくれたけど。
「へぇ、お前、結構大変・・・っていうか、辛かったんだな。」
「別に気を使わなくていいよ。」
「そうか?」
「もう、いい。お前らは、悪いやつじゃないのはもうわかった。」
「そうか。」
「でも、人の考え方はそれぞれ違う。何度かまたモメることになるだろう。」
「え?何でだ?」
「生きたいと思う真弘と、死にたいと思っている私では、その点の考え方が違う。」
「そうだな。」
「で・・・だ、・・・これからもここに顔を出していいか?」
「・・・。」
「・・・。」
二人とも驚いていた。
私もこんなことをいうとは思わなかった。人といることを望むなんて・・・。でも、何かが変わるような気がする。そんな気がするだけ・・・。
「いいぜ。来ても。」
「え・・・。」
「もちろん、いいにきまってる。」
「・・・。」
最初のコメントを投稿しよう!