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「どうせオレはいつでもヒマしてんだ。いつでもこいよ。」
「・・・。」
「できるだけ、ここに来るようにするから。」
「ありがとう。」
それから病院に来るたび真弘の病室に来ては話をした。
初めは将吾にあんなことを話して、誰にもわからないと思ってたけど・・・。完全にわかってくれなくても、理解しようとはしてくれていた。そこを私は気に入ったのだろうな。
心の内に辛いことをずっと溜め込んで、刺のある言葉と雰囲気で人を寄せ付けないようにしていたけど、その死んでいる瞳には、寂しさと、よわさが見え隠れしていた。その目は初めて見たときだけではわからず何度か会うたびに見えるものだった。そして、話を聞いてあげるだけでも、これほど変わるんだなって思った。本当は弱い女の子のはずなのに、どうしてこんなに強くなっちゃったのかな・・・。まぁ、話してくれたことが影響しているのだろうけど。
「ねぇ、真弘。」
「何だよ。」
「外出ってできない?」
「なんで?」
「三人で、出掛けられないかなって思ってさ。」
彼女は来るたびに明るくなって三人で出掛けないかなどと言うようになった。
今まで一緒に行ってくれる友達がいなかったみたいでどこに行きたいと聞くとどこでもいいと答える。
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