177人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
将吾は真弘の様子が違うのと、無表情だけど真弘のことを気にかけている悠香の気持ちを読み取った。
でも、その時は何も聞かずに、次にどこに出掛けるかという話をしたのだった。その時初めて悠香が提案した。
「カラオケに行きたい。」
俺も真弘も驚いた。自分からいった・・・。
「だめ?」
「だめじゃねぇよ。」
「ホント?」
「ああ。」
「よかった。」
君の笑顔を見るのは初めてじゃないけど、いつ見ても新鮮な感じがする。いつもは無表情だからなんだろう。でも、本音をいうことは前よりも言ってくれるようになったけど、そんなに多くはない。それに外出できなくなる前に真弘とも色んな場所を見て回りたいだろうし。
そして、次に行く場所はショッピングモールとカラオケになった。
「珍しいな。真弘がショッピングモールに行きたがるなんて。」
「アイツの好みを知るいい機会になるし。それに、オレが居たっていう証も残したいし・・・。」
「え・・・。」
「あっ、いや、なんでもねぇよ。」
「・・・。」
「じゃあ、今日は、ちょっと早いけど、私帰るね。」
「あぁ。」
「おう、じゃあな。」
悠香が帰った後、将吾は真剣な顔になって問う。
「おまえ、何かあったんだろう?」
「べつに。」
最初のコメントを投稿しよう!