何も変わることのない日常から・・・

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腫瘍ができる原因がわからないため完全に治すためには手術以外に方法がないらしい。症状が穏やかになる薬はあるようだが、薬で完全には直らないようだ。 手術は今すぐじゃなくてもいいようだ。女の子だし首に痕が残るのは嫌でしょうからと付け足した。 その時、やっとこんなつまらないときから解放されると思った。どうせ自分は弱いから自分で自分を殺すことなんてできなかったから都合がよかった。 それから半年が経って、二回目の検査の時、もう一つの腫瘍が発見された。しかも声帯に・・・。 今回もあの腫瘍。 医師に気になった事を聞いてみた。手術をしたら声帯も取ってしまうのかと。医師は頷いた。 私は歌が大好きだった。生活の一部。別に死ぬのは構わない。でも、歌が歌えなくなるのはイヤだ。死ぬ間際まで歌っていたい。歌は私自身。 私は帰りに公園に寄って最近気に入っている歌を歌ってから家に帰った。せめて歌えなくなる前に声が枯れるまで好きな歌を歌いたい。そう思う。二回目の検査が終わって四月が来て、高校に入学した。私はいつもと変わることのない生活をまたしていた。高校でも、部活は強制で私はしょうがなくはいった。
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