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数カ月後、私のそばには二人の女子がいた。いつも冷たくしているのに、私のすぐそばにいる。どうしてだろう。
二人のことはよくわからない。話さないから知っているのは名前だけ『成海 静香』と『浅月 桃』という。それ以外は知らない。知る気もない。
昼休みは図書室にいく。テスト週間の時以外はほぼ誰も来ない。
今日も本を借りにいく。前々から読みたかった本が返却されてた。借りようとは思うのだが、高い場所にあってとれない。どうするか・・・。
「どうしたの?」
声をかけられた。私は驚いて振り向いた。
「何か読みたい本あるの?」
その笑顔は悪い人のようには見えない。
「あの本。」
「あれかぁ、・・・よっと。・・・はい。」
「ありがとう。」
その後は何も喋らずに本を借りて図書室をでた。そういえばあの人いつもいたっけ。
これいらい毎日図書室に行くたび話し掛けてきた。それをいつも無視していた。それでも関係なさそうにこの人は話し掛けてきた。
もうすぐ三回目の検査。前よりも呼吸がしづらい。生活にそれほど支障はないけど、いつかは困るのかな。
そして三回目の検査の日結果はガンではなかったが、腫瘍は大きくなっていた。息苦しいのはそのせいだろうと医師は言っていた。
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