心の旋律

心を見る瞳

｢どうしてそんなことを言うんだ？｣
病気でもないやつに私の気持ちなんかわかるもんか！
私がどんな思いをしてきたのかも知らないくせに！
｢死にたいと思っているからだ。｣
｢お前なぁ！生きたいといくら願っても、死んでいくやつらだっているんだよ！｣
｢そんなこと私には関係ない。私はただ早く死にたいだけだ。放っておけば私もいずれ死ぬ。手術をしないのはただ生きたいと思わないからだ。｣
｢てめぇ！｣
｢真弘！｣
｢将吾！なんだよ！｣
｢･･･今までに何かあったのか？｣
その言葉に顔色は変えなかったが、驚いた。他人のくせに･･･。
｢別に何もない。･･･もう、話すことはない。｣
私は掴んでいた手を払いのけその場を去った。
｢おい！待てよ！｣
｢･･･。｣
｢あいつ、命をなんだと思ってやがる！｣
｢そういうな。あいつはそう思うようになってしまうような出来事でもあったんだ。｣
｢はぁ？｣
｢前に何かあったんだ。｣
｢そんなことで。｣
｢そんなことじゃないかもしれない。酷いことを言われたのかも知れない。心の傷が深くて、忘れられないんだ。｣
｢･･･。｣
真弘は、まだ納得できないという顔をしていた。
｢なんで、お前はあんなやつを心配するんだよ。｣