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「千鶴も。女の子なんだからそんな怒りっぽくならずにもっとおしとやかにならないといけないよ」 「おしとやかって………そんなのわかんないよ。じゃあ、お母さんも若いときはおしとやかだったの?」 「あぁ。それはね。今でも素子はおしとやかじゃないか。」   はっはっは、とまたお父さんが笑う。 本当に……いつまでこの夫婦はラブラブなんだか。 キッチンの方で炒めものを作っているフライパンが振られる音が大きくなる。   「おしとやかっていうか………」 「物静かだよな………」   私と兄貴はムムムと腕を組み首をかしげる。 吉兆は全く話に入ろうとせず黙々と新聞を読んでいる。   「で………出来たわよ……千鶴、お皿持っていってくれない……?」   ちょっとお母さん照れてるし。可愛いの。 たぶんそれについて言ったらまた包丁出てくるから言わないでおこう……。       「いっただきまーす!」 うーん☆お母さんの作るご飯は美味しい!でも、結構お母さんの作る料理には不思議なことがある。 例えば金曜日は絶対カレーだったり、たまに味が濃いめになったりする。 それをお父さんは懐かしい、懐かしいと食べているけど、なんでかはよくわからない。
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