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「……はい、お弁当。」 「ありがとうお母さん!じゃあ、行ってきまーす!」   両手を広げてクルクルと旋回しながら玄関を飛び出す。 うーん、今日もいい天気ね!なんだかいいことありそうな予感!   「おい千鶴。あんまりチョロマカしてっと、車にひかれるぞ?」 呆れたような顔をして兄貴が注意する。実際、車にひかれたことがあるのは小学生の時の兄貴だと言うことを、本人は忘れている。 「そんなマンガみたいなことにならないって!兄貴もこれやりながら学校行ったら?モテるかもよ?」 「ばーか。誰がやるかよ」 「うおーい、万次ー!学校行くべー!」   遠くの方で兄貴の友達の大道寺さんが兄貴を呼ぶ。早乙女さんも一緒だ。   「あいよー。じゃあな、千鶴。寄り道すんなよ?」 そう言って兄貴は自分を呼ぶ方へと走っていった。   「千鶴ーっ!学校いこー!」   次は私を呼ぶ声。メアリーが元気に手を振っている。 さつきちゃんはメアリーの横で優しく笑っている。   「うんっ!」     今日も私の、   ハッピーでラッキーでキューティーな朝が始まる。  
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