無限…

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セイは眉間にシワをよせた顔でレインに言った セイ「……レイン、だったら聞くが… この街はどうするんだ? 見捨てるのか?」 淡々とセイは言った レインは相変わらず真面目な顔で答えた レイン「見捨てます。」 セイ「っ!! …だったら俺は戦う。」 レイン「…なんども言わせないでください。 逃げるんです。」 セイ「俺にこの街を見捨てろと? …この、生まれた街を見捨てる事は… …母さんも見捨てなきゃいけないのか!? お前は俺に母さんを見捨てろって言ってるだよ!! ってレインも苦しかったんだろ?笑)」 レイン「…へ…?」 セイは笑った レイン「……な、なんで笑ってる…んですか…?」 セイ「レインが本気で見捨てろなんて俺に言ってる訳じゃないんだろ?」 レイン「………ほ、本気です!! ……私は、私はあなたに…!! セイ「…死んで欲しくないんだろ? レインは誰よりも人の死を嫌う事は知ってる…。」 レインは人の死を嫌う さっき、セイが気絶させその隙にヤンが殺した数名のローレライ軍兵を見なかった あからさまに視界に入らない様にしていた 顔色も良くは無かった レイン「……そうです。 私は…死を嫌います。 だから…!!」 セイ「ふざけんな!!」 セイはいきなり怒りの感情を露にした レイン「っ!?」 セイ「…この街を見捨てるのも殺しだ! レイン、死を嫌うくせに人は簡単に見捨てて殺されるのを黙ってるつもりか? ふざけんな!! 少なくとも俺は嫌だ!! だから俺は戦う!! そして生きて帰って… 「アヤ」に会いにいく!!」 レイン「……………。」 レインはクルッと回転し、セイに対して背を向けた その背中は微かに震えていた そして… レイン「…こっちです。」 レインは顔だけセイに向けてそう言った 涙の跡が少し、見えた気がした
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