独り…

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今、暁にはアヤしか居なかった アヤ「……暁ってこんなに広かったっけ…。」 アヤは笑いながらそう独り言を呟いた 目の前にはアサルト艦 暁はゆっくりと前進している 後方を映すモニターには小さく見えるが脱出ポットが複数光っていた みんなはそれにいる みんなは暁を出ていった ―――――――――――― アヤ「…暁から…出てって。」 その言葉にみんなは言葉が出なかった その言葉にじゃないのかもしれない… 出ていけと言ったアヤの顔が 恐ろしかった みんなはただアヤの言葉を聞いていた アヤ「…脱出ポット。みんな分あるでしょ? それであなた達は暁から離れて。 …ヒグレ艦があなた達を必ず保護するから。」 そう続けられた言葉に気づいたアキハが言葉を返す アキハ「あ、あんた!なに言ってんの?脱出しろってなに!?意味わからない!!」 アヤは眼を閉じてアキハに眼を映し開いた アヤ「…早く脱出して…!!」 アキハ「っ!!」 その言葉と見開かれた眼にアキハは引いてしまった 更に恐ろく感じた 始めてみたアヤの姿に言い返す言葉が無く、気が強いアキハでも体が震えていた アキハ以外のみんなもそう思っていた アヤ「…みんな…死にたくないなら私の言うこと聞いて?」 誰もしゃべらない沈黙… それを壊したのが意外人物だった フユミ「……アヤ…玉砕するの…?」 いきなりフユミが喋り、みんなはフユミを振り向く しかも、その言葉の意味がなんとも不吉な言葉だった ナツキ「…玉砕…? ちょっと待てアヤ…。玉砕ってお前…まさか…!!」 ナツキは気付き声を上げてアヤに叫ぶ そしてしばらく間をおき、ゆっくり落ち着いた声でアヤがそれに答えた アヤ「……うん。 私、今からアサルトを破壊する…何がなんでもあれを…アイツを…殺す!!!!」 アヤの眼は紅く燃えるように染まった 決して綺麗な姿じゃない 恐ろしい姿だった… アヤ「……私、艦長としてみんなに生きてて欲しい!! このままみんなが死んだら私、辛い。 もうみんなに着いてきてなんて言えない。 …私、艦長失格だった。 そんな私からのお願い! みんな、逃げて!! アイツをみんなから救わせて!!!!」
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