独り…

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キルはセイのある言葉が頭の中で駆け巡っていた 「レイン」 俺は世界を消す だけど、考えて無かった いや、考えたくなかった レイン…を殺さなきゃ俺の成すことは完成しないじゃないか セイを殺してレインを殺す それで良いじゃないか? けど、なんでこんなに すっきりしないんだ? キル「…………………」 キルはまだ答えが出せなかった そしてセイはゆっくりと話し続ける セイ「…俺は人を殺す…バーサーカーっていう力でも人を救えるのかも知れないって思うんだ。 例えば世界の歪みとか。 バーサーカーにしかやれない事を…いや、自分に出来る事をしたいんだ。 それに、お前をこの力で救えるのなら俺はそれを選択する!」 キル「……お、俺は……」 セイ「だから、一緒いこう。 レインに会いに行くぞ!キル!!」 キル「!!!!」 キルの眼はセイをずっと見ていた その眼から一気に涙の雫が流れていた キル「……俺は…俺は…!!」 ――あの時から、レインを救いたかった あんな醜い世界で生き続けてきたレイン 世界と戦おうとしていたレイン 幼い頃から愛してた だから彼女の力になりたかった だけど、願いは届かずにセイを連れだして俺を見捨てた 確かにあの時は恨んだ ライの世界を消滅させるって話しに賛成したのも その恨みから来たのと…矛盾してるけどレインが苦しめる人間がいなくなれば平和になるとか思ってたんだ けど全然違う 世界に絶望して 世界を救う為に世界を無にしようと そうすれば悲しみが無くなる けど、違う 誰もいない世界に悲しみも喜びもある筈ない レインはそこにいない… その現実的なシナリオを考えたくなかった… 理想だけを追っていただけだった 結局自分の事しか考えてなかったんだ… ――――正義の味方…じゃなかった キル「………俺は…俺は!!!!」 ずっとそう泣き続けるキルをセイはずっと何も言わずにただ支えていた インフィニティーはずっとプレジデントを支えていた 片腕しかないインフィニティーはプレジデントを掴んでいた キルは勘違いしていた プレジデントを掴もうとインフィニティーは太刀型のビームソードを離していた たまたま首付近に無重力のせいでそこにあっただけ… それがようやく首元から離れていった
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