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闇の中を俺はさまよっていた
闇…
俺は目をあけた
闇の中で長く永久の時を送っていた俺の二つのゼラチン状の玉は世界という大きなものをうつしだした
「!」
「ま…まぶしい」
「ここはどこだ?」
俺の目の前には作りものでなく自然の緑があった…
「森か…」
なにもわからない俺はとりあえず歩いた
池があり池の水を飲もうとした
しかしそこで俺は奇妙な思いにとりつかれた
水に光が反射しうつしだされ俺の目のなかに入った俺の顔が俺ではない別人の顔のように感じた…
「!」
「なんだ!記憶がない!俺はどこから来たんだ!ここはどこだ!俺は何者なんだ!」
そう、俺の頭にはなにも残ってなく
あるモノは、この森で生まれこの池まで歩いてきた事のみ…
パニック状態の俺を嘲笑うかのように森の針葉樹たちは風に音をたてた…
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