01.桜の声がした

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    「良い詞だね」     案の定、見られていた。   羞恥心が込み上げてきて無言でそれを奪い取る。     「えー。せっかく褒めてあげたのに」   「勝手に見るなよ」     彼女は頬を膨らませて、教室を去っていった。   その後ろ姿は誰かに似ていた。   似ていたから、目を離せなかったんだ。    
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