【理想と現実】

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外回りの営業だけでなく 社内の人間関係に対しても メッキは有効だ。 と言うか僕の金メッキの 本来の用途はこっちがメインなのだ。 謙虚の属性も標準装備された仮面を被った僕はここでも人の輪の中心付近にいた。 『中心』ではなく 『付近』というのがポイントだ。 学生時代と違い 営業成績で給与というはっきりとした形ある差が付く以上 どんなに良くしても多少の嫉みや逆恨みは避けられない。 そのためには スネ夫くん的ポジションが一番危険性が低かったりする。 中心にいる事は甘美だが 進んで矢面に立つほど渇望してはいない。 そういう意味で ギリギリ2位をキープする程度の実力は 僕にとって理想ではあった。 そこは狙ってやれる程 甘くはないので余談なのだが。
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