ﾊﾟﾗﾚﾙﾜｰﾙﾄﾞ

奴隷には衣服の着用が許されていなかった。外見はミイラの様に全身包帯グルグル巻きその上に一様に砂漠の旅人を思わせる黄ばんだボロ布を羽織っていた。素材は包帯よりも厚みのあるサラシに近くより厳重に肉体の露出を拒絶され顔の辺りの包帯の隙間から僅かに両目が覗いているだけだった。その姿は普段着の透明人間を思わせた。存在自体も透けて消えてしまいそうで酷く儚く思えた。

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