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演説を始めて間もなく
僕は騒ぎを聞き付けた警官に取り押さえられた。
少し離れた所でやっている
怪しげな宗教団体の勧誘の方が
迷惑な気がしたが連行されたのは僕一人だった。
でもこれでいい。
これこそが僕の作戦だ。
はじめから捕まって警察と関わりを持つ所まで計算に入っている。
要は印象付ければいいのだ。
人々や公共機関に。
意外に職務質問はあっさりと終わった。
職質の間
奴隷解放についてアツく語るつもりだった僕は逆に拍子抜けした。
釈放される際
担当警官が口にしたやる気の籠もっていない形式上の『注意』は
暗に
口に出して言えないが応援しているよ。
と言われたような気がして
少しだけ心強かった。
僕の勝手な解釈なので
単に面倒なだけな可能性の方が高いのだけど。
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