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それでも
ボロが出ないように
二度と剥がれない程に強化を施した僕の金メッキは
やがて
僕を心の奥底に追いやり
閉じ込め
僕の皮膚と癒着し
本物の僕であるかのように振る舞った。
殻の中の僕に少なからず影響を与えているかどうかは
否定はしないが
引き籠もりっぱなしのため
僕にも実はよくわからない。
ともあれ僕は
『理想的な社会的地位』
を築いた。
自立した社会人でなくとも
高校生活だって立派な社会環境だ。
僕はそれを平穏なものにするために必死になり
全身全霊を捧げた。
だからなのかな?
僕は…
昔、僕が待ち望んだ彼女との再開に
最後まで気付けなかったんだ…
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