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高校卒業後
僕はちゃっかりと某保険会社に潜り込んで外交員などをしていた。
不況と呼ばれるこのご時世にして
なかなかの優良企業。
基本給こそ年齢を下回るものの
出来高歩合手当てが高めに反映される。
実力重視のシステムだった。
ここでは僕の金メッキの特性が
余す事無く発揮された。
外ヅラの良さのみを端正に抽出した某化粧品メーカーの売り文句のような特殊メイクは
見る人に例外なく好印象と安心感を与える
もともとそこまで考えていた訳ではないので自分でも驚いたのだが
時計の歯車が噛み合うと例えるのが相応しいほどに
営業という業種にマッチした。
入社して2年――
昇進こそはしていないのだが
営業成績は毎月ギリギリトップを逃す程度に良かった。
僕が青春時代の大半を費やし
苦悩の末、創り上げた
唯一にして最大の武器を
ナメてもらっては困ります。
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