それぞれの愛国心

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「姫様、お久しぶりですね!街に下りられたのは。」 「姫様、今年は豊作ですよ!」 「姫様!うちの野菜買っていっておくれ!」 姫は街人によく話し掛けられる。 「今日はお財布をもってきてないの!ごめんなさい!・・・・フゥ…。」 姫は一人一人に返事をする。 どうやら姫は街人達に好かれてるみたいだな。 昔から街には結構下りていらしたみたいだし、庶民的な感じが街人達には共感を得ているのだろう。 そして中には 「姫様、本当に戦争になるのでしょうか。」 「うちの畑を荒らさないでくれ!」 など、やはり戦争が起こるのを嫌がり訴えてくる人もいた。 「王には最大限に戦争が起こらぬよう、働き掛けていくつもりです。」 姫はそう答え、街人達に言っていた。 しかし、一部の農民からは 「昔から城への年貢は軽くて有り難いのですが、最近貿易分の年貢が苦しいですよ。ここ数年は豊作だから大丈夫ですが、不作の年がきたら堪えられません。」 という的確な指摘もあった。 姫はとりあえず、 「王に伝えておきます。」 と言っていたが多少戸惑う表情を見せてもいた。  
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