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「う、うぅう…
うるさいわよ!」
「うるさいじゃなくて他に言うことがあるだろ!?」
誤魔化しそこねたか…
怒った顔のままじーっと私を見つめ続ける春誇
「わ、悪かったわよ…
心配かけて…ごめんなさい
助けてくれてありがとう!!!!」
最後の方は半ば自棄になりながらそう叫ぶと春誇は笑顔に戻って私の頭にポンと手を置く
「よろしい
一人で寂しかったか?」
「さ、寂しくなんかないわよ
子ども扱いしないで!!」
置かれた手を払って怒鳴ると、春誇はいたずらっぽく笑って手を引っ込める
「はいはいお姫様
…でも、こういう時は甘えていいんだぞ?」
うぅうぅぅ…
たぶん今の私は酷く情けない顔になっていると思う
顔に出ていなかったとしたら、春誇に全部見透かされているみたいでムカつく
「………」
無言で遠慮がちに手を握ると、春誇はその手をしっかりと握り返して微笑みかけてくれる
顔が、上げられない……
「ほら、行くぞ
紫都留さんもすっごく心配してたんだからな?」
「…うん
紫都留にも、ちゃんと謝る」
私の言葉に『よろしい』と頷くと、春誇は私を連れてこの部屋を出た
「疲れた~~~~……」
「ありがとうございました春誇さん、姫羅さん」
学院祭終了後、俺たちは片付けを済ませた後後夜祭に軽く参加して家路についた
姫羅が紫都留さんを食事に誘ったらしく、紫都留さんも一緒だ
「いいわよ、楽しかったしね♪
お土産も一杯もらったし」
手に下げた残り物のお菓子や買って来た小物なんかを満足気に見つめる姫羅
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