紫都留の日常―――

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「お兄ちゃん、ご飯出来ましたよ~~」 「紫都留! 危ないからお前はやらなくていいって言ってるだろう!?」  庭で朝の鍛錬をしている最中だった兄:緋都騎 ヒズキ に声をかけると、ものすごい速さで私の元に走ってきてガシリと肩を掴み、涙ながらに訴えます。 「お兄ちゃんは過保護過ぎます 私はもう子どもじゃありません」 「!!!!」  ガーンッ! って効果音が聞こえてきそうなくらいショックな顔をする兄…… 「紫都留! 反抗期か!? 反抗期なんだな!!? あああれか? 『もうお兄ちゃんの服と一緒に私の服洗うのやめて下さいっ!』 って歳なのか? そんなにお兄ちゃんのこと嫌いなのっぶは!!!!!」  ショックとパニックのあまり、訳の分からないことを叫ぶ兄の後頭部に見事な蹴りが決まり、身長180㎝以上もある大男が痛みのあまり悶絶してしゃがみ込んでしまいます。 「あ、泉さん おはようございます いついらしたんですか?」  私は強烈な蹴りをかましたメイド服姿の女性、小園 泉 オゾノ イズミ さんに向き直って挨拶をします。 「おはよう紫都留 まったくこのシスコン馬鹿は… おいさっさと起きろ 大の男が情けない…」  泉さんは兄の幼なじみで私のお姉さんみたいな方です  力強い美貌を持ったハーフの女性で、やや切れ長のグリーンの瞳と、少しくせのある漆黒のセミロングの髪が印象的な20歳  身長が175㎝もあって、まるでモデルさんか女優さんみたい…  あ、メイド服を来ているのは、休みの間は私の家でメイド…というか家政婦(?)をやって下さってるからです
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