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歩く事20分くらいだろうか…。赤い屋根の2階建ての立派な家が見えてきた。表札には[工藤]の文字。ここが達幸の家である。
達幸はカバンから鍵を出してドアに入れ右に回す。だが鍵はなんの反応もない。
あれ…おかしいなと思い鍵を抜き、ドアを引いてみた。案の定ドアは開いた。
「ただいま」
…と言いながら家に入る。
「おかえり! ご飯すぐできるわよ」
そう言いながらショートヘアの女の人はフライパンを回しながら答えた。この人が達幸の母である。
「今日帰り早いね」
達幸が聞く。いつもは達幸の方が早く帰宅するのである。
「今日は仕事終わりそうにないから早く帰ってきたの。明日はいつもより遅くなるからご飯自分で食べてね」
「わかった」
そう言って達幸は2階に上がっていった。2階の一角に達幸の部屋はある。
ベットや勉強机さらにはテレビやパソコンまである豪華な部屋。達幸はカバンをおくと制服を脱ぎ私服に着替えて1階に降りていく。
途中、香ばしい匂いが鼻を刺激した。腹もグゥグゥと待ちきれない様子だ。
リビングの扉を開けるとさらに香ばしい匂いに鼻が反応した。唐揚げだ!
「いただきます!」
元気よく挨拶をして唐揚げを口に運ぶ。しばらくして腹が満たされた。
「ごちそうさま」
「はいよ~食器運んどいてね」
食べ終わった食器は台所に運ぶのが、工藤家の掟。まぁ当然の事だな。
しばらく食休みをして、風呂に入り自分の部屋にいった。
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