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その日…つまり、10月31日の夕方、クレアは魔女に仮装した愛娘のレニに言った。
「可愛い魔女ね。全然怖くないわ」
レニは少し頬を膨らまして、靴をはきながら言う。
「かぼちゃもおばけもマイクとジョンにとられたんだもの。魔女だって馬鹿にしたらイタズラするんだから」
レニは右手を差し出した。
「あまり遅くならないうちに帰ってきなさいね」
クレアはレニの右手にキャンディーをひとつ握らせ額にキスをして、見送った。
コンコン
何度目のノックだろう。
ノックの音に目を覚ました。
編み物をしているうちにいつの間にか眠ってしまった。
クレアは立ち上がり、玄関へ向かう。
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