かぼちゃのよる

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『Happy Halloween』 子供らしい女の子の声。 シーツを被っているからだろう、声は少しくぐもっていた。 薄く汚れたシーツに、可愛らしい橙色のスニーカー。 右手にはお菓子をいっぱい入れたかご。左手には大きなかぼちゃの提灯。 「あらあら、今度はどこの子かしら」 クレアは女の子の頭を優しく撫でた。 女の子は気持ちよさそうに肩をすくめ笑って、シーツからクリクリした目をのぞかせた。 『trick or treat!』 「いたずらされたら大変ね。お菓子をあげるわ」 クレアは一度部屋に戻り、テーブルに置いたお菓子を詰めた箱を開けた。
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