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何時もみたいに屋根裏から忍込む
小十郎は門から来ても良いというけど其は何となく嫌だった
小十郎の部屋の上から中の様子を見る
部屋には小十郎以外誰もいなくて小十郎は机に向かい黙々と仕事をしている
仕事の邪魔するのは悪いから少し外で暇を潰そうと思った
「どこに行くんだ?佐助…」
見ていたかのように腰を浮かせた瞬間に下から呼ばれた
「…何で分かっちゃうかなぁ~…」
小十郎はちゃんと忍んだ俺でもよく気付く
忍は見付かってはいけないのだが不思議と小十郎に見付かると嬉しく思う
「佐助、降りてこい…」
降りて来ない俺に小十郎の普段とは違う柔らかい声が掛けられる
「いいよ、仕事の邪魔になりたくないし…」
「もう終わる」
こう言われてしまえば終わりだ
俺は観念して部屋の隅の方に降り立つ
「終わるまで待っとく…」
「あぁ…」
俺はおとなしく座って待つ
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