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部屋には小十郎が筆を走らす音と紙の擦れる乾いた音しかしない
待つと言っても暇を潰せる様なものは持っていない
何より目の前に久しぶりに見る愛しい存在がいるのだ
自然とソワソワしてしまう
頭の中はもう小十郎に甘えることしか考えてない
抱きつきたい衝動を抑えながら小十郎の仕事が終わるまで待つ
暫くして小十郎が筆を置いた
俺は其を確認して後ろから小十郎に抱きつきく
「佐助…」
そんな俺の名前を呼びながら小十郎が頭を撫でてくれる
俺は甘える様に擦り寄る
「まったく…門から入ってもいいと言っただろうが」
「何さ…駄目なわけ…?」
久しぶり逢ったのにそんなことを言う小十郎につっかかる
「駄目じゃねぇさ」
優しく微笑む小十郎に急に恥ずかしくなる
「それより、久しぶりだな。佐助…」
頭を撫で、軽く口付けてくれる小十郎に強く抱きつく
「本当だよ…逢いたかった…」
「あぁ、俺もだ」
応える様に抱き締めてくれる
久しぶりに感じる暖かさ
「心配だった…」
小十郎が呟くように言いながら俺を確かめるように軽く口付け、撫でる
「ん…俺、もっ…心配だった…」
「良かった…無事で…」
ぎゅっと抱き締めてくれる小十郎に俺も抱きつく
「うん…小十郎…」
俺が求めるように軽く口付けをすれば小十郎は応える様に口付けてくれる
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