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私は売地のど真ん中に突き刺された少女の死体を見下ろした。
大の字に広げられた手足には、各々に大きな穴が開いている。顔はもう髪と耳以外はすっかり無くなっていて、丸いドーナッツの様になっていた。裸になった女子高生の性器と薄い乳房の真ん中にも、穴を開けた。胸の穴には、角材が地面へと突き刺さり、彼女をしっかりと止めている。
私は記憶を辿る。殴り付けた瞬間の彼女の呻き声、痙攣する手足、世界を名残惜しそうに見つめる瞳。
「ずっとこうしたかった」
私はすっかり暗闇に染まった空にそう呟いた。それは確かに、私の声だった。
電灯が不規則な明滅を繰り返している。公園の森林はまだ後ろを付いて歩いてくる。風はひっきりなしに吹いて、私の喉を渇かす。
私は鼻唄を歌いながら帰路を辿った。
風の音は止まない。
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