第一章・NOBEOKA~延岡~

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そして別れの日、そしてその日は新たな出会いの幕開けを意味していた。 いつも通り、授業が終わった。 けれど心の中はいつも通りではいられなかった。 「みんなも知ってると思うけど、田口君は家の事情で転校する事になりました。」 そう担任が切り出した。静まり返る教室、どこからかすすり泣く声が聞こえた。 「じゃあみんなに挨拶を…」促されたのだけど、何か喋ろうとすると泣きそうで第一声が出ない。 やっとの思いで挨拶を始めた瞬間、こらえていた感情が決壊した。涙声になって、しゃくりあげ、号泣した。クラスの皆も泣いていた。 こうして僕は、見ず知らずの大阪へと、旅立つ事となったのである。
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