2⃣月明りの下で

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「お前の母親は男と逃げたってさ…。 父親も、金、稼いでお前を迎えに来るって行ったきり…、 骨になって帰って来たんじゃ…、 何にもなんないな…」 事ある度に、聞かされた里親のそのセリフは、 少年の心の悲しみを助長させていた…。 少年は、三才の時に、 父親に肩車されてやって来て、 父親の親戚筋にあたるこの家に、あづけられた。 だから、 『物心がついたら、この家に居た…』 って、言うのが、 その頃の、少年本人の感覚である。 預かった里親には子がなかたが、 泣き虫の、その少年に愛情を見せる様な人間ではなかった…。  
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