205人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前の母親は男と逃げたってさ…。
父親も、金、稼いでお前を迎えに来るって行ったきり…、
骨になって帰って来たんじゃ…、
何にもなんないな…」
事ある度に、聞かされた里親のそのセリフは、
少年の心の悲しみを助長させていた…。
少年は、三才の時に、
父親に肩車されてやって来て、
父親の親戚筋にあたるこの家に、あづけられた。
だから、
『物心がついたら、この家に居た…』
って、言うのが、
その頃の、少年本人の感覚である。
預かった里親には子がなかたが、
泣き虫の、その少年に愛情を見せる様な人間ではなかった…。
最初のコメントを投稿しよう!