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僕のことを知らない人からしたら、ただの体たらくな男にしか見えないだろう。
実際そう思われても僕はかまわなかった。
すべてにおいて無関心で、無気力な人間になってしまっていたからだ。
僕は自分を含めた世の中に一種の諦めのような気持ちを抱いてしまっていた。
部屋の床に置かれた灰皿にはすでに吸い殻が山盛りになっていた。
今の僕の唯一の楽しみが、この吸い殻を灰皿からこぼさず高く積み上げることだ。
不恰好に積み上がった吸い殻を見ては何か得体の知れない優越感に浸るのだった。
『くだらねぇな。』
そんな言葉を口にしても積み上がった吸い殻を見る僕の顔に笑みは隠せない。
僕は心から楽しんでいた。
そんな何もない日々を過ごす僕にもふと冷静になり、不安に陥ることがある。
【人生の先が見えない。】
そんな漠然とした不安に陥る。
一度そのことを考えだしてしまうともうどうにもとまらない。
僕はどん底になるまで考えてしまうのだ。
そしてその時どうしようもない恐怖と孤独感から体ががくがく震えだし、嫌な汗を体中にかいてしまう。
つくづく僕は弱い人間なんだと思い知らされる。
いや、実際人間は脆く、はかないのだ。
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