心霊写真、それから…

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
俺はたいして仲良くない友人の家に遊びに行った時、友人の父親の小学校の時のアルバムを見せてもらった。その中に修学旅行の時の写真があった。そのうちの一つに二十人くらいの児童が船に乗っている写真があった。その写真には、一人だけ明らかに雰囲気が違って目の周りが暗い不気味な人が写っていた。 俺は妙に寒気がしたので友人の父親にこの人は誰かたずねてみた。しかし、彼も誰だか分からなかった。その後、アルバムにある他の写真を見てもその人と同じ人は写っていなかった。修学旅行で貸し切りだったため船には学校の児童以外の人は乗っていないはずらしいのだが… 俺は写真のことがとても気になった。もっと知りたいと思った。もっとそばにいたいとおもった。初恋と同じ気分だ… だから、写真に写っていなかった人達一人一人に船で何をしていたのか聞いてまわった。児童は全員で八十七名だったのでそれほど苦にならなかった。 しかし、終わってみれば全ての人が小学校の修学旅行のことはほとんど覚えていないと言う。俺は確信した。これは悪霊が修学旅行の時の記憶を消したと… 一応、当時の担任にも聞いてみようと家を尋ねたが去年の夏に享年八十一歳で亡くなっていた。この人の口癖は「俺は必ず何があっても百歳まで生きちゃる」だったそうだ。これほどの強い意志を持っていた人が亡くなるのは悪霊の仕業しかないと思った。 俺はその日の夜、「心霊写真鑑定します。ついでに供養します。」という張り紙を見つけた。電話番号が記載されていたのですぐに電話をし、鑑定してもらった。鑑定者は「この写真は呪われている。今、あなたも呪われている。」といった。俺は焦った。しかし、優しい鑑定者は「この水晶を買えば呪いはとける。」と言った。三十万ほどしたが俺は迷わず買った。 それ以来俺の家には架空請求、訪問販売がたくさんくる。でも、わざわざ買い物に行かなくてよくなったので訪問販売は悪くない。 今、家には切れ味抜群の包丁、筋肉が自然につく薬、体にいいと言われる気体を出す空気調節機、人間でも食べることができるドッグフード、テレビつきテレビなどがあります。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!